ライフプランニングは参考程度。
ファイナンシャルプランナーや保険の営業員などに相談すると作ってくれることがある、ライフプランニングとキャッシュフロー表。そして、それに基づいて、お金の相談や見直しなどをしてくれる。
雑誌やウェブサイトでは、様々なファイナンシャル・プランナー達が、キャッシュフロー表の作成を推奨しているコラムや記事を見かけることがあります。
しかし、私達は知らなければならない。
私達は、私達が思っている以上に、長期的な計画を立てるのが下手だということを。
今の自分の生活環境や経済環境は、10年前の自分が想像したとおりのもになっているでしょうか?
少なくとも私の場合で言えば、10年前の環境とは、だいぶ違った状態になっています。
多分、私だけでなくほとんどの人が、多かれ少なかれ10年前に考えていたものと違うものになっているのではないでしょうか?
それなのに、キャッシュフロー表で10年後よりも長い、30年後の老後の生活を想定して、本当にその通りになると考えていいのだろうか?
長期的な人生計画は、計画通りに行くことのほうが少ない。
ファイナンシャルプランナーなどが作る、ライフプランやキャッシュフロー表というのは、一つの参考程度の情報しか持っていない。
今の自分が考える、「こういう人生だったら、どうなるのだろうか?」ということをシミュレーションしているに過ぎないわけです。
ライフプランやキャッシュフロー表を作って、お金の計画を立てたところで、実際の人生は、その計画通りには、まず進みません。
別に、これは悪いことではありません。計画通りに行かないのは、自分の選択が要因でもあることもあるし、周りの環境が要因であることもあります。
人生の中では、想像していなかったことが起こることがあります。
そして、残念ながら、その想像していなかったことが起こらないようにすることも、私達にはできません。
子供の頃、人の人生が100年になると言われる時代が来ると、どのくらいの人が想像できていたのだろうか?
私達は、人生のほとんどを偶然に左右されながら、その都度、軌道修正をしながら人生を生きています。
計画通りに行かないことの方が、むしろ当然といえます。
私達は、先のことを考えて行動することは苦手。
私達がしている人生の選択というのは、何十年後も先のことを考えて選択している時というのはほとんどありません。
多くの場合が、「今、もしくはちょっと先」程度で、いろんなことを選択している。
これは、別におかしなことではありません。人の心理として当たり前の話なのです。
行動経済学においても、人が、遠い先ではない近視眼的な判断をよくしているということが言われています。
例えば、「今欲しいものを買うのはできるけど、遠い先の老後のために貯金しよう」というのはなかなか難しい。これは、まさにその傾向を表しているものです。
私達が思っている以上に、私達がしている未来への判断は曖昧なものなのです。
ファイナンシャルプランナーなどの力を借りて、ライフプラン表やキャッシュフロー表などを作ってみたところで、実際には大した意味がないのかもしれない。
個人的には、長期的な計画を立てたところで、5年先が精一杯なのではないかと思っています。
結局、重要なことは「今」をどうするかなのかもしれない。
ファイナンシャルプランニングで言うならば、毎年ちゃんと貯蓄ができるような家計になっているのかどうかではないだろうか。
「長期的にどれだけの貯金ができるか」ではなく、「今、どのくらいの貯金ができるのか」のほうが、本当は大切なのかもしれない。
もし今年が教育費などで出費がかさんだとしても、来年もしくは5年以内に家計を黒字(収入よりも支出が少ない状態)にするために、今できることはないだろうかと考えること。
長期的なライフプランやキャッシュフロー表を作って考えることよりも、実際には、その方が大切なことなのではないだろうか?
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