インデックスファンドに積立投資はなぜ効果的なのかをおさらい。
「投資を始めるなら、インデックスファンドに毎月積立投資で始めましょう。」というアドバイスをよく聞きます。
FPや金融機関、ほとんどの投資のアドバイザーが同じようなことを言っています。
おおよそ間違ってはいないものの、なぜ「インデックスファンドに積立投資がいいのか」。その理由をあらためておさらいしてみましょう。
⑴インデックスファンドが良いという理由
インデックスファンドがお薦めとされている一番の理由は、『コストが安い』ということです。
インデックスファンドが目指しているパフォーマンス指標であるインデックス。それを超えるパフォーマンスを目指すというコンセプトで運用しているファンド(投資信託)をアクティブファンドといいます。
アクティブファンドは、コンセプトだけなら魅力的なファンドです。しかし、その実際の実力はインデックス以下という商品が多いため、実際に投資をするならインデックスファンドというのが、インデックスファンドが好まれている理由になっています。
そのアクティブファンドですが、インデックスファンドよりもパフォーマンスが悪くなる大きな理由は、運用コストの高さにあると考えられています。
企業調査やファンドマネージャーへの報酬などがあるため、与えられたインデックス指標のデータだけで機械的に運用できるインデックスファンドよりも、コスト効率が悪くなってしまうそうです。
コストが高くてパフォーマンスが悪いなら、コストが安くてそこそこのパフォーマンスでいいというのがインデックスファンドのメリットというわけです。
⑵毎月積立が良いとされる理由。
株式相場の値動きを予測することは不可能。
これは理屈による説明に限らず、実際に株式相場と向き合ってみて、経験的にも実感している事実でもあります。
だから、投資のタイミングを考えず毎月積立をするという方法が、株式投資などには合っているという考え方です。
毎月タイミングを考えずに購入することで、買値を平準化できる。そして最も重要な、相場が下落している時でも、積立で購入するのなら続けられるだろうというのが、毎月積立がおすすめされている理由として言われています。
インデックスファンドの毎月積立の欠点も理解しよう。
インデックスファンドは、そこそこのパフォーマンスが約束された運用をします。常に平均値に位置し、それ以上もそれ以下もない。まさに平均値というのがインデックスファンドの利点であり、また欠点でもあります。
インデックスファンドのような、必要以上のリターンを狙わず、そこそこの平均値ぐらいを目指す運用をすることをパッシブ運用と言います。
言ってみれば、インデックスファンドとはパッシブ運用の理想形とも言えるのですが。
インデックスファンドに組み込まれている銘柄数は、数百や数千という数の銘柄数になります。
実は、パッシブ運用を目指す分散投資として、そこまでの分散投資が必要なのかというのが、疑問のあるところになります。
実際には、誰が見ても健全そうで、そこそこ名のしれた優良企業に、10社程度分散投資していれば、案外ほどよいパッシブ運用になるものです。
むしろそのぐらいの分散投資のほうが、バブルで湧いている銘柄や、不祥事を起こしたりするような企業など、自分にとって投資したいと思わないような企業を自分のポートフォリオに組み込まないようにできるので、より安心の運用ができるとさえ感じているぐらいです。
毎月積立にしても同じことです。
毎月積立投資でよくいわれている、タイミングの分散ですが、10年単位の長期投資を前提とするならば、やはりこれも毎月ほどたくさんの回数に分散する必要はないと感じています。
毎月分散投資では、毎月定期的に一定の金額で買い続けることで、弱気相場からの回復期に比較的早い段階でトータルの損失からは脱出できると言われています。
しかし、逆転して考えれば、相場が上昇しているときも相場の過熱感を無視して買い進むことで、下落が始まったときに、一括で買って放置していた人よりも、早い段階でトータルでの損失が発生し始めることになります。
毎月積立投資は、回復期に強いというメリットが強みではありますが、その反面下落相場に入ると案外早い段階から損失がでてくることがあるという欠点もあるわけです。
「インデックスファンドを毎月積立」の終わりの始まり?
久方ぶりに、弱気相場突入という声が聞こえ始めました。
買いたいという人よりも、売りたいと考える人が増えてくる相場、そうなると理屈抜きで下落することもある。これがより弱気相場を強めることになります。
今までは「相場が下がれば値ごろ感から買い支えが入る」という相場が長年続いてきましたが、最近では下げてもその買い支える動きが弱くなっているようにも感じられます。
もしその動きが本当になれば、弱気相場はまだまだ続くことになる。
株価というのは、当たり前の話ですが、買う人がいなくなったら、下がるだけです。
そうなると、毎月積立投資の弱点が表面化してくることになります。
上昇する局面を、高値でコツコツ買ってきた分、下げ始めたときには、比較的早い段階で評価損になる。
評価損が発生する分にはまだいい。むしろその後、刻々と評価損が大きくなっていく中、人は何も気にせず毎月積立投資をこれまで通り続けられるのだろうかという疑問。
人の心というのは移り変わりやすいものです。今までは「下げても毎月積立投資を続ければ良い」ぐらいに思っていたのに、いざマイナスになっている数字を見ると、途端に嫌になってくるものです。
その心の変動を平常心で乗り切るというのは、想像している以上に難しいということに気づくべきです。
また、「インデックスファンドが良い」という有識者たちの声によって、多くの投資初心者がインデックスファンドを購入することになった。
そしてその多くが、インデックスファンドの本質をほとんど知らない。
インデックスファンドが良いと言われても、いざ元本を下回り始めたら、インデックスファンドに対して疑問を持つことはほぼ間違いないと思っています。
すると、今まではインデックスファンドのいい部分だけが脚光を浴びていたけれど、損失を出す人が増えることで、インデックスファンドの悪い部分が目につくようになる。
そしてインデックスファンドが売られる。
インデックスファンドが売られれば、市場全体が下がる。市場全体が下がれば、その市場から退場したいと思うものがさらに増える。という連鎖を繰り返すことにもなりかねない。
結局、「投資の世界では、人気があるものは儲からないようにできている」という原理原則に戻るだけ。
人の意見は真に受けず、自分の考えを持ち、自分で判断し行動する。そういう人がいつの時代でも強かった。そしてそれは今後も変わらないと思っています。
インデックスファンドは、今までとても人気があった。だからこそ、弱気相場になったときに悲惨なことになる不安を感じてしまう。
最近では、インデックスファンドに似た、インデックスファンドよりコストの小さい投資信託も出てきた。経験則から考えると、このインデックス似の投資信託はよくできていると思っています。
弱気相場になって、インデックスファンドに疑問を持ち始めた人たちが、そいうインデックスに似せた投資信託に移るってくることもあるかもしれない。
今までのインデックスファンドの終わりの始まりというのも、あながちおかしな話ではないかもしれないと最近考えています。
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