資産運用を始めるときに、必ずでる疑問。
「資産運用は、いつから始めたらいいの?」。これから資産運用を始めようと考えている人にとっては、必ず出てくる疑問の一つです。
「今買ったら、高値掴みにならないかな?」「買ってすぐ値が下がったらどうしよう。」
ただでさえ未知のモノへの挑戦なのに、お金がかかっているのだから、不安になるのも当然です。
資産運用をはじめるタイミングとしてよく言われていることといえば、「思い立ったらすぐ!」という話です。
資産運用は、長期で取り組むべきものだから、複利の効果を最大限に活かすため、少しでも長い時間運用したほうがいい。だから「今すぐ始めることが良し」と言われています。(複利の効果は、長ければ長いほど効果的で、期間が長くなるほど大きく増えることになる。)
資産運用というものが、単純な複利で機能するものなのであれば、それは正解なのでしょう。
しかし、みんな何となく感覚としてわかっている。資産運用で投資をしようとするものは、値動きのあるリスク資産。高値で買ったり、値下がりしている中で買ったりすれば、損することになるという事。
だから「今すぐ始めよう」という言葉が、いまいち信用できない。
本当に、資産運用は「今すぐ始める」が正解なのだろうか?
今すぐ始めるのは貯金。
値動きのあるリスク資産。今すぐから積み立てしたって、市場の暴落などに巻き込まれれば、数年たっても元本さえ戻らないという事もある。
対して、歴史的暴落の安値で買って、その後相場が急回復するようなことになれば、元本割れの恐れがほとんどない上に、急激な資産増加の恩恵も受けられる。
値動きのあるリスク資産へ投資をするタイミングというのは、その後の運用に与える影響がとても大きい。
そう考えると、「本当に今すぐでいいの」と疑問に思うのは当然のことです。
では、資産を作ろうと思った時、今すぐ始めるべきものはなんなのだろうか?
それは『資産運用』ではなく『貯金』から始めるということではないだろうか?
資産形成において重要なことは、『資産運用』よりもむしろ『貯金する力』にあると考えています。そして、貯金力が高い人は資産運用でもうまく行っていることが多い。
資産運用では、タイミングの要素が大きいことは先に言った通りですが、貯金は開始するタイミングに関係なくいつでも始められるし、いつ始めてもリスクに大きな変化はない。
正直言えば、「資産運用を今すぐに取り組むべき」と行っているのは、はっきりいって机上の空論だと思っている。本心では、出来るだけいいタイミングで投資を始められた方がいいと考えているのではないだろうか?
問題は、良いタイミングというのは、ご存知の通りなかなかわかるものではない。
しかし、悪いタイミングというのは、何となく察することが出来ることもあるものです。
良いタイミングはわからなくても、悪いタイミングで無理に投資を急ぐ必要はないのではないだろうか。そういう悪いタイミングでは投資に積極的にならないようにする、これはリスク管理のとても重要なポイントになると思っている。そしてそういう慎重さが、精神的にも安心感につながるものです。
しかし、どうしても投資信託や株式などの投資商品を販売する側は、今すぐに投資商品を買ってもらわないと自分たちの収入にならない。
もしかすると、『複利』という言葉を利用して、今すぐ始めるべき理由をもっともらしく言っているだけという事もあるのではないだろうか?
そもそも、商品を売る側の人で、まともに資産運用で大きな成功を掴んでいる人は、ほとんど見たことがない。むしろ個人的には、見かけたことも聞いたことも、全くと言っていいほどいない。
資産運用では、投資商品を今すぐ買わなくてもいい。そのうち買うための資金を作る『貯金』から始めてみる。それで良いのではないだろうか?
何も買わずに暴落を待つ?
「良いタイミングが来てから買う。」自分で言っておいてなんですが、所詮これは『理想』でしかない。だから、タイミングが来るまで、貯金以外全く何もしない、何も買わないというのも正解だとは思っていない。
というのも、投資というのは、『経験値』による影響も大きいと感じている。
理屈や理論でいろんなことを言われてはいるけれど、実践の中で最終的に活きてくるのは『経験値の高さ』のような気がしています。
私たちは、自分で思っているほど、合理的でもなければ、理論通りに行動できているわけでもない。だから、理論でそうなっていると言われても、実践では違うことをしてしまうことのほうが多い。
経験を積んできた人たちは、そのことを痛ほどよく思い知っている。
だから、経験値の高さは、その間違いに気づき、可能であれば修正するための要素となってくれていることがあるのだと思います。
つまり、賢い資産運用ができるようになるためには、知識だけでなく『経験』も積む必要があるわけです。「投資を始めるなら今すぐから」という話しは、少しでも多くの経験を積むためのものだと考えたほうが良いと思っています。
もし、本当に「今だ」と思うような絶好の投資機会がおとずれたとしても、大した経験も積んでいなければ、そこが本当に絶好の投資の機会なのかどうか、自分自身を納得させるだけの材料も根拠もない。
周りの意見を聞いてそれを判断しようとしても、絶好の買い場だという人がいない時が絶好の買い場であったことのほうが多い。
最後に信用できるのは、自分自身の知識と経験。だから、経験の少ない人は、絶好の投資機会が訪れても、今と同じように、「本当に今すぐでいいのだろうか」と思ったまま、時が過ぎてしまう。
いつその絶好の投資機会が訪れても良いように、できるだけ早くから経験を積む。知識と経験を蓄えて、本当に投資をしたいと思ったときに、周りの意見に左右されず、自分の考えで行動できるように備えておく。
そのための、「投資を始めるなら今すぐから」なのではないかと思うのです。
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