有料のFP相談の立ち位置?
ファイナンシャルプランナーという仕事は、お金を稼ぐための事業の一つです。
事業であるならファイナンシャルプランナーに相談することで料金が発生することは、ある意味当然のことなのでしょう。
しかし、世の中には『無料相談』というスタイルをとっているファイナンシャルプランナーがとても多い。
みなさんお気づきの通り、『無料相談』というのは、相談の後に何らかの形で報酬を得ることを考えながら行っています。
その報酬を得る手段が、保険の販売や投資信託の販売などです。
実は、ファイナンシャルプランナーという仕事は、相談料をもらうスタイルよりも、無料で相談をうけて、その上で金融商品を販売したほうのが仕事としては効率がいい。
有料相談だったら、1時間10,000円程度の料金だったとしても、同じような相談時間で生命保険などの商品を販売できれば、場合によっては、数十万円の収入になることがある。
『お金を稼ぐ』ということを主体にするなら、有料FP相談よりも、無料で相談に来てもらって、うまく商品の販売に持って行ったほうが、仕事としては賢いやり方だということです。
それでも、「FP相談は有料相談で金融商品の販売はしない」ということを掲げてファイナンシャルプランナー業をやっている人がたまにいる。
そういう人たちは、あまり賢くないから有料相談をやっている。というわけでもない。
実は、そういう人たちは、金融商品の販売以外の方法で収益を得る手段を持っていることが多い。本の執筆、ウェブサイトや雑誌のコラム記事の作成や監修、セミナー講師として講師料をもらっているなどがあげられます。
どちらかというと、収益の主体は、有料のFP相談ではなく、そっちの仕事。
有料のFP相談は、事業としては2の次という所が多いのかもしれない。
お金を払ってFPに相談する意味。
無料で相談対応しているファイナンシャルプランナーよりも、有料で相談対応しているファイナンシャルプランナーのほうが、お金のことをよく知っている。
というわけでもないと思っています。
無料相談のFPだって、相談の後に商品販売につなげなければならないため、一生懸命お金の勉強をしていることと思います。
なにより、商品のことについては、有料のFP相談よりも無料のFP相談のほうが詳しいと思われます。なにせ、自分で売っているわけですから詳しくないわけがない。
だったら、「無料のFP相談に行って、話だけ聞いて、何も買わずに帰ればいいのでは?」と考えることもあるかもしれない。
本音を言えば、無料相談のFPはそんなことは、100も承知で、実際にはその上をいく戦略を考えて無料相談を行っているはずですが、取り合えず今回はそのことは横においとくとして。
実際に、有料FP相談も無料FP相談も同じような質なのならば、何もお金を支払って相談に乗ってもらう必要はないというのは、私も同意見です。
問題は、立場の違いです。
有料のFP相談は、まず商品を売るということを考えていないため、商品の話をしないFP相談が得意です。
たとえば、「資産形成のために貯蓄を効率的進めるにはどうすればいいの?」とか、「株式投資の株式ってそもそもなんなの?」とか、「投資信託ってどうやって運用しているの?」とか、オープンな質問をされたほうが、そのFPとしては答えやすい。
対して、無料のFP相談で、商品を売りたいFPの場合には、「何を買ったらいいの?」、「この投資信託はおすすめですか?」など、「これ!」という答えを求めてられている質問のほうがよかったりする。
実は、そういう答えを求められると、有料のFP相談では、実際の商品知識が少し弱いので、苦手でもある。
つまりは、自分が知りたい情報はどっちなのかを考えて相談に行くべきだと思うのです。
たとえば、「どうやって資産形成を進めればいいのだろうか?」という疑問をもって、FPに相談した時に、金融商品の販売前提の無料のFP相談に行けば、「資産形成に役立つ金融商品は、これです!」という特定した回答になりやすい。
というのも、人には、選択肢を多く与えすぎると、なぜか選べなくなってしまうという傾向があります。
そのため販売する側としては、あまり選択肢を与えないようにしていたりします。
しかし、本当に求めている答えはそれなのでしょうか?
「貯蓄計画の立て方」、「家計の見直し方」、「ライフプランの考え方」といった、特定の答えとはなりにくい話を相談しているのではないでしょうか?
そして、特定の商品の話はそのあと。
つまりは、「どうやって資産形成を進めればいいのだろうか?」といった、「これだ」という答えではなく、もっと本質的な知識や情報が知りたいときには、有料のFP相談のほうが効果的だと思われます。
FPには個性がある。
一概にFPといっても、人それぞれに個性があります。当たり前といえば当たり前の話ですが。
お金の話は、とても範囲の広い話です。
そのため、一人一人のFPには得意分野と、そして不得意分野というのがあるものです。
自分が相談しようとしているものが、得意としているFPを探すというのは当然のことでしょう。
また、お金についての考えかたもFPによって違います。
お金というのは、使い方や考え方、人それぞれで、その人の個性が現れてくるところです。
同じ疑問でも、FPによって全く違う回答をするものです。
「支払には、現金がいいですか?、それともキャッシュレス決済がいいですか?」
という質問でも。
「現金のほうが、管理がしやすく、使っている実感があるため、キャッシュレス決済よりいいです。」と考える人もいれば、「支払いは、クレジットカードなどに集約することで、ポイントが付与されお得になるので、断然キャッシュレス決済です。」と考える人もいる。
同じ質問なのに、全く逆の立場です。しかも、どちらの言い分も間違っていない。
実は、お金の話では、こういう話であふれている。
お金の話には、絶対という正解がないようです。とらえ方や、その時期や環境などによって、お金の見方は大きく変わってきます。
となると重要なのは、相談しようと思っているFPが、どんな考え方をする人なのかということが事前にわかっていた方がいい。
実際に相談してみて、自分とは感覚が合わない人だったとなったら残念です。
多くのファイナンシャルプランナーが、ウェブサイトの記事や、自身のホームページやブログなどで、お金の考え方や感じ方などを広く公開しています。
そのような記事などを見ながら、自分の考え方や方向性にあっているかどうか確認してみることがおすすめです。
あるFPの考え方と、自分の考え方が全く違うからと言って、自分の考え方が間違っているとは限りません。ただ意見が違うだけということもある。
そんな時は、もっと探すことで、きっと自分の考え方に近いFPが見つかることと思います。
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