松竹梅の法則?
松竹梅の法則とは、人が無意識的に選んでしまっている方法のことを指しています。
高くてとてもいいもの、安いけれどちょっといまいちなもの、そしてその中間に位置するようなもの、の3つの選択肢を与えられると、反射的に最後の中間に位置するものを選ぶ傾向があります。
生命保険の業界では、終身保険のような割高な商品と、完全掛捨ての割安な商品、そして終身と掛け捨ての組み合わせプランを提示することで、自然と終身と掛け捨ての組み合わせプランを選んでもらおうとしたりします。
このようなことは、生命保険などの金融商品に限ったことではなく、さまざまなモノの選択で、私たちがよくしていることです。
松竹梅の法則は、心理学的にはゴルディロックス効果などと呼ばれています。
人は、極端なモノを選択することに不安を感じる傾向があり、松竹梅の法則は、そのゴルディロックス効果を利用した営業テクニックの一つと言えます。
松竹梅の法則を利用した営業テクニック?
生命保険の営業の現場でよく見かけたテクニックとして。
最初に最も売りたい商品を用意します。
そしてその商品の上と下に、極端に良いプランと悪いプランを用意します。
生命保険という商品は、あくまでも金融商品なので、はっきり言ってしまえば、「商品に良い悪いというのはあまりない」ものです。
金融商品には、必ずメリットとデメリットが同時に存在していて、すべての商品がそのメリットとデメリットを合算すると、みんな損得はほとんど変わらないことになるものです。
しかし、メリットとデメリットを合算すると損得はないとはいえ、見せ方によっては、良くも見えるし、悪くも見える。
そうやって、すごく高くていいもの、安くてあまり良くないもの、そして今回売りたいと思っている本命をその間において、顧客に提案する。
すると、ほとんどの顧客が、営業員が売りたいと思っていた商品を選ぶようになる。
実は、営業の人と話をしているうちに、私たちは、知らず知らずのうちに営業の人の売りたい商品を買ってしまっていることが多い。
しかも、営業側の狙い通りの選択肢だったとしても、「選択した」という事実によって、自分で選んで買った気になっていることも多い。
そうやって、数日後に、「本当にこの商品で良かったのだろうか?」と悩むようになったりすることもある。
松竹梅の法則から逃れるために?
結局、営業とのやり取りは、営業が売りたい商品を提示し、顧客はそれを買うかどうかを選ぶだけという場合が多い。
本当に顧客に合っている商品が何かを、顧客の立場で顧客と一緒に考え、そのうえで商品を提示する。
「これが、あなたにもっとも合った商品です。」というのは、まずないと思っていいと考えています。
なぜなら、私たち人は、選択肢が多すぎると選べないという心理的効果もあるからです。
ジャムの法則などと呼ばれていて、24種類のジャムを売るよりも、6種類のジャムを売ったほうのが売れ行きが良かったという研究結果からそう呼ばれています。
選択肢が沢山あったほうがいいような気がしますが、実際にはその逆というのは意外かもしれません。
モノを売る営業の立場からすると、選択肢を程よく絞らないと、そもそも買ってもらえなくなる。
だから、選びやすいように数を絞り、選んでもらった方が売りやすいので、「本当に顧客に合った」というのは難しくなる。
ましてや、顧客と一緒に考えて、その顧客に一番合っている商品を検討するなんてこと、選択肢があまりにも多すぎて、不可能だということです。
よく、「たくさんの会社の保険商品を扱っています。」なんて広告を見かけますが、だからといって、その中から本当に最適の商品を選んでいるのかということには、やっぱり疑問に感じるわけです。
結果的に、うちのFP相談に来る人のほとんどが、皆似たような商品を提案されていて、「これで本当にいいのでしょうか?」と尋ねてきます。
どうやら『売る側には、今売る商品はこれだ!』というものがあるようです。
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