資産運用がイメージ通りにいかないワケ?
老後と年金不安?、リタイヤ後の2,000万円問題?、自己責任で資産運用?
「何とかしてお金を増やさなければ!」と思ってしまう今日この頃。
実は、そう思ってしまうのは、今日のこの時点で資産運用や投資で、大きくお金を増やすことに成功した人がいるからです。
その人たちを見ていると、「私もやらなければ」という気持ちになる。
そうやって、お金がお金を呼び込むことで、株式などの資産価格は上昇し、さらに成功した人たちの資産を増やすことにつながっていく。
それを見て、さらにお金が資産市場に流れていく、そして資産価格が上がる、という循環ができている。
でも、逆だったらどうだろう。
株式市場が暴落し、今までお金持ち扱いを受けていた人たちの多くが、資産のほとんどを失っていく。そして、中には借金で首が回らなくなる人もいる。
その姿を見て、「私も投資をしなけば」と思うのだろうか?
そう、思うはずがありません。
日本は、1990年代にそういうバブルの崩壊を見ていた。だから積極的に投資にお金を使おうという人も少なかったのかもしれない。
十数年前のリーマンショックのころも、「資産形成のために投資をしよう」なんて人、全くと言っていいほどいなかった。
つまり何が言いたいのかというと、「私も投資をしなければ」と思う背景には、「今までは資産価格が上昇してきた」ということがあるからなのです。
「株式投資をしていい思いをしている人がいる」、このことがこれから株式投資や資産運用を始めようと思っている人のモチベーションになっている。
でも、「株式投資をしていい思いをしている人がいる」というのは、過去の出来事だということを忘れてはいけません。
この人たちは、過去に株式に投資をしたから今いい思いをしている。
今投資をする人が、この人たちと同じようにいい思いができるかというのは、全く別の問題だと思う。
未来のことは、思っているほどイメージ通りにはならない。
これは、今投資を始めたあなただけでなく、過去に投資をしていい思いをしていた人の今も同じことです。
資産運用が上手くいかないのは誰のせい?
「なぜ、あの人はあんなに資産を増やすことができたのに、わたしはあまり増えていないの?」
投資している金融商品が悪いのか?
アドバイスをしてくれるファイナンシャルプランナーが悪いのか?
投資で資産を増やしたあの人が、あやしい投資をしているのか?
それとも、テレビや雑誌でコメントしている経済評論家や金融機関の人のせいなのだろうか?
実は、どれもほとんどのところ大間違い。
私がうまくいかないのは、『運』がなかっただけ。
株式市場で言うなら、うまくいかないのは、株式市場の調子が悪いから。
やり方でも、商品選びでも、もちろん経済予想なんかでもない。
今投資を始めたあなたが上手くいかないなら、ごく少数の人を除いてほとんどの「投資で資産を増やした人たち」も今はうまくいっていない。
相場がいいか悪いかの『運』によることがほとんどなのです。
そんな、上手くいかないときは、どうしたらいいのだろうか?
結局、「耐えるしかないでしょう」。としかアドバイスできません。
相場全体が悪い時に、下手なことしようとすれば、より傷口を大きくすることになるだけです。
「あきらめる」、「耐える」、「考えないようにする」
上手くいかない時、人は『なぜ、自分だけがこんなことに』と考える癖がある。
でも、実際は違う、自分がうまくいかないときは、みんなうまくいっていない。たとえ自分が損をしたとしても、「あの人も一緒だから。」と割り切っていい。
「投資を続けていれば、近い将来必ずその損失を取り返せる。」なんてこともないと思った方がいい。
未来はイメージ通りにはならない。
「あの投資で資産を増やすことに成功した人は、自分より多額のお金を株式市場に投資していたのだから、その損失は、自分なんかよりはるかに大きいだろうな?」
とでも考えて、自分を慰めるのが一番いい。
ただ、「過去に投資をした分の損失は取り返せないかもしれない。けれど自分には投資に使えるお金がまだある。今後働いてもらえるお金を合わせれば結構な額になる。これからもっと賢く投資をして、そのお金を増やせればいい。」と考えられるともっといい。
今投資を始めた人は、今までもうすでに多額のお金を資産市場につぎ込んでしまった人たちよりも、これから投資ができるという優位性がある。
今は上手くいっていないかもしれない。けれどその失敗は未来で取り返せるかもしれない。
だって、未来はイメージ通りにはならないのだから、悪いイメージだっていつまでも続くとは限らない。
結局、うまくいく行かないは『時の運』。
過去の成果よりも、先を見る。過去の失敗、損失はあきらめて、次に意識を向ける。
上手くいかない時こそ、そういう姿勢が大切だと思っています。
0コメント