誰でも儲かるイージーマネーの時代が終わる?
「株式投資は、経済の成長とともに株価も上がるので、長期で保有していれば儲けられる。」なんて話をこれまでいろんなところで聞いてきました。
しかし、その話は本当にそうなのだろうか?
本当にそうなのだとしたら、何にも考えずただ株式(特にインデックスファンド)を買うだけで、誰でも簡単にお金を儲けることが出来ることになってしまう。
見方によっては、コロナ禍で、日本政府が配った定額給付金でもらったお金と何も変わりません。
株式投資ってそんなに単純なものなのだろうか?
誰でも簡単に儲けられるものを、『イージーマネー』という。
そして、なんのリスクもなく、ただ飯にありつけることを『フリーランチ』という。
「株式のインデックスファンドを長期で保有してさえいればいい。」
こんな話は、このイージーマネーやフリーランチと言っていることはほとんど変わらないのではないだろうか?
お金を手に入れることって、そんなに甘いものなのだろうか?
誰もが、簡単にお金を手に入れられる世界の後には一体何が起こるのだろうか。
それが今まさに、世界中で経験しているインフレなのではないだろうか?
ここ十数年の間、株式投資で簡単にお金を儲けることができた。
素人だろうが、無知であろうが、株式のインデックスファンドを買いさえすればお金が儲かった。
まさにイージーマネーの世界だったのではないだろうか?
そんな時代がいつまでもつづくと考えるのは、本当に正しい認識なのだろうか?
株式投資で資産が倍増してハッピーに?
ファイナンシャルプランナーも、金融機関も、政府も、みんなして株式投資を推し進めている。
みんなで株を買って、みんなでハッピー。
株式の収益というのは、投資額が多い人の方が有利。
そんなの当たり前の話です。つまりは、投資額1,000万円の人に、投資額100万円の人は、一生かかっても追いつけない。
もっと言えば、資産が1億ある人には、株式投資じゃどうやってもかなわない。
という事は、株式投資を推し進めても、みんなでハッピーにはなれないかもしれない。どうやっても埋まらない格差がどんどん広がっていくだけなのかもしれない。
投資額100万円の人が、資産が200万円になったときには、すでに資産1億円を持っている人は、その資産が2億円以上になっているかもしれない。(1億円が生み出す収益ほど、支出は多くない可能性があるため、資産の増え方も早くなってくる可能性がある。)
もし資産100万円が投資によって200万円に増えたとしても、格差が広がるばかりの世界でハッピーになれると考えていいのだろうか?
世界中の格差の大きい国のほとんどで、金融という事業の規模が大きいという話がある。
金融は、格差を拡大させる原因になっているのかもしれないと思うところがある。
でも、そんな格差が広がった世界で、その格差が縮小される時がある。
それが『バブルの崩壊』。バブルの崩壊が起こることで、行き過ぎたものを抑え、広がった格差を解消する。
そう考えると、『バブルの崩壊』というのは、起こるべくして起こっているのかもしれない。
今世界は、金融緩和やコロナ禍での給付金など、これまでばらまかれてきたイージーマネーなどによって、格差がとても大きく広がっている。
もしかすると、今世界中で起きているインフレや、金利上昇つまりは金融緩和の見直しといった世界は、この広がった格差を是正するための『バブルの崩壊』に向かっているのかもしれないとさえ思えてくる。
困難な時代を乗り越えたものが本物になる。
生物の進化の過程というのは、その時その時の環境に適するように変化させて進化してきたのではないそうです。
たまたま生まれた多様なモノの中から、たまたまその時の環境に適していたものが生き残り、そして繫栄してきたというのが生物の進化の過程なのだそうです。
つまりは、困難な時代でも生き残れるものを持っていること。これが最も重要なのかもしれないと思っています。
つまりは、正しい知識と知恵を持っていることなのではないだろうか?
『バブルの崩壊』の厳しい経済環境の中でも生き残れれば、その後も繫栄していくことができる。イージーな時代に儲けることよりも、困難な時代に生き残ることの方が、ずっと大切。
現に、過去に起こった金融バブルの崩壊、ITバブルやリーマンショック、これらの時代から株式投資を積極的に行い、投資で資産を築いてきたという人は、日本だけでなく、世界的にも少ないような気がします。
今投資で儲かったと言っている人の多くが、ここ十数年間の大きなバブル崩壊のなかった時間の中で投資をしてきた人なのではないだろうか?
もしかすると、巨大なバブルの崩壊を経験したことのない人にとっては、その威力がどのくらいのものなのかさえ、想像もできていないのではないだろうか?
『バブル崩壊』を生き残るために。
『バブル崩壊』を生き残るために本当に必要なことは、『継続すること』という考え方ではないのではないだろうか?
良い時代に「継続することが一番だ」などと言っていても、状況が変われば、そうできなくなってしまうのが人間です。
だから、バブル崩壊の度に、浅はかな認識がふるい落とされ、ほとんどの人が投資を継続することなく市場から退却してしまっている。
その結果、何十年もかけて、投資で資産を築いてきたという人があまりいない。
つまり、『バブル崩壊』を乗り切るためには、『継続』という言葉よりも大切なことがある。
それが、リスクを正しく学び、損失を受け入れられるだけの『知識と知恵と心』を作っていくことなのではないかと思うのです。
継続よりも、困難な状況の中でも学ぼうという姿勢。これが大切なのではないかと思っています。
イージーマネーの終わりに備え、困難な時代でも投資が継続できるようになるための、知識と知恵と心をつくる。今こそ正しい投資の知識と知恵を学ぶべき大切な時期なのかもしれません。
0コメント