合理的なシミュレーションよりも、心で感じる安心感を。
相談者は、家の購入にあたって、工務店が提携しているファイナンシャルプランナーに、住宅ローンの借入額シミュレーションや今後のライフプランをふまえて、具体的にキャッシュフロー表などをすでに作ってもらっていました。
しかし、相談者はそのキャッシュフロー表に何となく違和感を感じていて、今一歩自宅の購入に踏み切れない感じでした。
いろいろ相談者と話をしてみると、相談者がファイナンシャルプランナーの作ったキャッシュフロー表に対して感じていた違和感の原因は、シミュレーションの上では、生涯資金が尽きることはなかったので、一見問題がないように見えるのですが。
シミュレーション上では、自宅を購入して住宅ローンの返済が出てくるようになると、毎年の収支がほぼゼロのトントンになっていて、貯金がほとんどできなくなることにあったようです。
住宅購入のシミュレーションを見ると、頭金なしの全額借入になっていました。
しかし、相談者にはすでに十分な貯蓄があったので、その貯蓄を取り崩して頭金にし、借入の金額を減らし、毎月の返済額を抑えることで、毎年の収支に余裕を持たせると良いのではないかと考えました。
具体的な数字にしたシミュレーション上では、収支がトントンでも全く問題はありません。むしろ、無駄のない合理的な数字が導き出せるものです。
しかし、実際には私たちはそんなに合理的にはできていません。これは行動経済学という分野でいろいろと研究されわかってきている事実です。
つまりは、収支トントンの家庭と、貯金がちょっと減っても、収支に余裕があり、毎年貯金ができている家庭では、心の持ちようが全く違うという事です。
お金というのは、家庭の大きな問題にもなりやすい重要な話です。
心に余裕を持たせた家計にすることは、とても大切だと考えています。
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