投資や資産運用と言うと、切っても切り離せないものがリスクという概念です。
しかし、一概にリスクと言っても、いろんな捉え方があるものです。
投資や資産運用をする上で向き合うべきリスクとは一体なんなのでしょうか?
リスクという言葉を聞いて、真っ先に感じるのが『危険』という印象ではないでしょうか?
「リスクがある」といわれると、「損失を出してしまうのではないか?」「損を出す取引はしたくない」そう考えてしまうことが多いと思います。
リスクという言葉の持つ意味の一つ目が、そう「損失を出すことがある取引」という意味です。
しかし、金融の世界だと同じリスクという言葉でも若干意味合いが異なります。
金融の世界のリスクとは、値動きする大きさのことで、『ボラリティ』をリスクと表現しています。
つまりリスクが大きいという言葉は、得するか損するかは別として、ただ値動きが大きい取引という意味になります。
「ボラリティの大きさ」これが2つのリスクです。
このように、リスクと一概に言っても、使っている場所、使っている人によってその「リスク」という言葉の意味合いは全然違ってくるというわけです。
金融の世界でのリスクは、ボラリティという値動きの大きさを指しているということは、投資信託や株式などを購入するときの説明ででてくるリスクという言葉は、その金融商品がもつ「値動きの大きさ」の話をしているのだなというのをすぐ理解できなくてはいけません。
そこをはき違えてしまうと、話が通じないことになってしまいます。
しかし、投資信託の営業を受ける時などに、値動きの大きさではなく、損失を出す方のリスクを使っていることもあります。
これは、一般的に「値動きの大きさを指すリスク」という言葉になれていないため、わかりやすい「損失を出すかもしれないリスク」をあえて使っているわけです。
しかし、そこはどちらのリスクを使っているのか、話を聞きながら判断できるようになるべきだとは思っています。
もし仮に、担当の営業が2つのリスクの意味も分からず、金融商品を売っているような場合には、その人から金融商品を購入しない方がいいと思われます。間違いなく知識不足です。
リスクにはとらえ方によって複数の意味合いがあるということを説明しましたが。
より大きな枠でリスクを考えるならば、リスクとは不確定ということになると考えられます。
「リスクがある。」=「先のことはわからない。」という事です。
そもそも、金融の世界では、値動きの大きさをリスクと呼んでいるようですが、その値動きの大きさも常に一定ではありませんので、値動きの大きさもわからないというリスク(不確定性)があるということになります。
リスクとは、「わからないことが分かったとき」に使う言葉というわけですね。
つまり、リスクとの付き合い方とは、もうどうなるかわからないということを理解しようというわけです。
ややこしい話ですが、これを理解しないとリスクとうまく付き合っていくことはできないのかもしれません。
しかし、「わからないことをわかる」と言っても人がその感覚を理解するのは、実は非常に難しいことなのです。
人には、すべてのことを意味付けして考えようとする。わからないことがあるという自然界とは相いれない考え方をする癖があります。これは生物としても性なのではないかと考えられています。
すべての事象を関連付けて考えることで、長い長い地球の厳しい生存競争を生き残ってきたわけですから、いきなり「わからないということをわかる」という思考法に切り替えましょうと言っても難しいのは当然です。
投資や資産運用をする上で、その「わからないことをわかる」というリスクとどう付き合っていけばいいのか?
そのヒントに確率の考え方があります。
コイン投げをして表がでる確率はどのくらいか?
コイン投げには、表と裏の2つの答えしかありませんから、答えは1/2で50%です。
でも、この50%という答えが出たからと言って、次に表が出るとは言い切れません。
これがいわゆる「わからないことをわかる」という感覚ということでしょう。
そして、50%という確率が60%、70%と高くなっているところを見つけて勝負をすることを考えるのが、投資や資産運用で成果を出すコツだという事です。
でも、勝率が70%だからといって、その勝負で勝てると決まるわけではありません。
この感覚も、先ほどと一緒ですね。確率が上がったからと言って、勝てると決まったわけではないと。
でも、この勝負に負けたからと言って、勝負をやめてしまうのではなく。
同じような確率の高いところで、勝負を続けていれば、いつか勝てる日が来るのではないかと、続けることがとても重要になってくるわけです。
つまり。
「うまくいくかどうかわからない。でも確率的にうまくいく可能性は十分にある。だったら目先の勝負に負けたからといってやめたりせず、勝てるまで続ける。」
これがリスクとの付き合い方というわけです。
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