投資信託の種類は、2019年4月時点で、6,000本を超えるといわれています。いくら投資信託が資産運用初心者向きの商品といっても、これだけあったら、この中からどれを選べばいいのかなんて、わからなくなることでしょう。そしてその結果、金融機関から営業されるままに購入を決めてしまったなんてことにもなりかねません。
投資信託を選ぶ際のツボを押さえておきましょう!
投資信託の仕組みと、投資信託が投資初心者向けの商品である理由とは?
投資信託の仕組みとして押さえておくポイントは、『分散投資』という仕組みです。
個人が10,000円で投資をしようと思った場合、その投資先はかなり限られてきます。ですが、投資信託を使うと、その10,000円で投資信託を購入するだけで、いろんなところへ投資ができる『分散投資』を、まだ資産が少ない投資の初心者でも実行することが出来るようになります。
これが、投資信託の仕組みの大きなポイントであり、投資初心者向きといわれる仕組みでもあります。
逆に言えば、数千万円ぐらいの資産になってくれば、投資信託を使わなくてもある程度いろんな範囲に分散投資をすることが出来るようになりますから、資産家になるほど投資信託は必要なくなるとも言えます。
分散投資は必ず実行するべき。
投資とはリスクをとることです。そしてリスクとは、不確実性を意味します。
不確実性、それはつまり『どうなるかわからない』ということです。
ここでのポイントは、『わかっている気になっていることも、実際にはわかっていないことをわかっていなければいけない』ということです。
そして、「どうなるかわからない」ものに対しては、いろんなところに振り分ける、つまり『分散する』という方法が身を守る唯一ともいえる対策法になります。
分散投資は、リスクから資産を守る、大切なリスクコントロール法です。
『一つの籠に卵を盛るな!』
投資初心者ほどリスクをうまくコントロールする術がまだ身についていないわけですから、徹底的に『分散する』ということから始めるべきなのです。
投資信託と分散投資。
投資信託は、それそのものが分散投資を行っています。
株式投資信託では、最低でも数十銘柄以上は分散投資がされています。多いものでは世界中の企業に満遍なく投資しているものもあります。
債券投資の投資信託や、不動産を対象とした投資信託なども同様です。
また、バランスファンドと呼ばれる、複数の資産に分散投資する投資信託では、もっと幅広い分散投資がされています。
バランスファンドは、ただでさえ分散投資されている投資信託を、さらに複数の投資信託に投資することによって成り立っています。
『投資信託は、分散投資を行うために使う投資商品』と考えても間違いではありません。
投資信託の失敗しない選び方とは?
投資信託の選び方にはちょっとしたコツがあります。そのため、投資のベテランになるほど、選択する投資信託はある程度限られていたりします。
投資信託の選び方 コツ①《買付手数料がなく、信託報酬手数料が低い》
投資信託を購入すると、投資信託を販売している会社と運用している金融機関に手数料を支払うことになります。
それが、買付手数料と信託報酬手数料です。
買付手数料は、投資信託を購入した時に係る手数料のことです。たとえば、買付手数料2%となっている場合、その投資信託を10,000円分購入すると、手数料として200円差し引かれることになります。
この買付手数料が0の投資信託を、ノーロードと呼んだりしています。
つまり投資信託の選び方として、ノーロードと記載されているものから探すことが一つのポイントになるわけです。
そして信託報酬手数料とは、運用している期間ずっと差し引かれる手数料のことです。
先ほどのように信託報酬手数料が年2%の投資信託を10,000円分運用してもらうとした場合、1年目にに、200円の信託報酬手数料が差し引かれます。その後、運用がうまく行き投資信託が15,000円になると、その年は300円の信託報酬手数料が差し引かれます。
3年目は、逆に運用が低迷し、8,000円になってしまったとしたら、今度は160円の信託報酬手数料が差し引かれます。
このように、その時の資産額に応じて一定の%で手数料を差し引かれるものを信託報酬手数料といいます。
この信託報酬手数料ができるだけ低い投資信託から選ぶ方がいいわけです。
投資信託の選び方 コツ②《シンプルな運用方針》
投資信託の説明書である「目論見書」。ここに書いてある内容ができるだけわかりやすいものから選びましょう。
はっきり言って、難しいことやっているからといって運用のパフォーマンスが上がるなんてことは決してありません。
平均的なパフォーマンスを目指したインデックスファンドと呼ばれる投資信託群がありますが、実は投資信託の中でも特に優秀といわているのが、この『平均的なパフォーマンス』のインデックスファンドなのです。
インデックスファンドの運用に難しいことは一切ありません。もっとも優秀と考えられているインデックスファンドのコンセプトは、市場に存在するすべての銘柄を購入するという単純明快な運用法だったりします。
逆に、優秀な人が運用して難しい運用をしているイメージを持つヘッジファンドと呼ばれる投資信託がありますが、実は、このヘッジファンドでさえもインデックスファンドに勝てていないという話や逸話はいくらでも見つかったりします。
『シンプル・イズ・ベスト』
このシンプルであるということに特化することで、運用コストを引き下げることにもつながり、相対的に運用効率が上がるというのが、今の投資信託を取り巻く環境であり、今後もこの傾向は変わらないことが予想されます。
投資信託の選び方 コツ③《長期の運用が予定されている》
資産運用の重要なポイントに、『長期投資』という視点があります。
長期投資をしていれば、負ける可能性(損失を出す可能性)を大きく減らすことが出来るというのが、資産運用の世界で一般的に考えられていることです。
長期投資をするのに合っている投資信託なのかどうかは投資信託選びの第3のコツです。
まず、投資信託には、運用期間というものが設定されています。
投資初心者が選択すべき投資信託は、この運用期間が『無期限』となっているものから選択することです。
無期限ということは、基本的に一生保有することが出来ることを意味しているわけですから、まさに長期投資向きと考えられます。
ただ、投資信託には実は早期償還という可能性もあります。
早期償還とは、予定していた運用期間を切り上げて運用資金を投資家に還してしまうという意味です。
早期償還となる理由の一つとして、運用資産が減ってしまったということがあります。
ここで長期投資向きの投資信託を選ぶポイントが出てきます。それは、運用資産が大きく減ったりしていない投資信託を探すということです。
詳しくは投資信託の運用レポートなどに記載されているので、それで確認できます。
一番簡単な失敗しない投資信託の選び方!
これまでいろんな投資信託選びのポイントを挙げてきましたが、最も簡単な失敗しない投資信託の選び方は。
『つみたてNISA』の対象となっている投資信託から選ぶという方法です。
つみたてNISAとは、投資信託を購入する際に税金面で優遇がある制度であり、つみたてNISAで購入できる投資信託は、一定の基準が設けられ『つみたてNISA』で購入できる対象の投資信託の本数も決して多くはなっていません。
つまり、選ぶ対象が少ないために選びやすくなっているということもできます。
つみたてNISAの対象となる投資信託は、金融庁が『国民の資産形成に有効な投資信託とは?』という視点から選ばれています。
つまり、今まで上げた投資信託の選び方のコツとなる。
①買付手数料がなく、信託報酬手数料が低い
②シンプルな運用方針
③長期の運用が予定されている
という3つの基準からみて、高い評価を得ている投資信託であるわけです。
投資信託選びのコツを抑えて、失敗のない資産運用を始めてみましょう!
お金のいろはファイナンシャルプランニングで投資信託を見極める目を身に着けよう!
栃木県宇都宮市の独立系ファイナンシャル・プランナー、お金のいろはファイナンシャル・プランニングでは、投資信託を見極めるための知恵が学べます。
まずは投資の基本を知ること、そうすることで賢い投資信託を選択できるようになってきます。
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