「資産運用は、長期投資で取り組もう!」
という事が、最近少しづつ認知されてきた気がします。
しかし、なぜ長期投資なのだろうか?
長期投資というのは、金融機関や政府機関にとってメリットがあるから言っているのではないかといった疑問もあるのではないでしょうか?
今回は、長期投資の現実についてお伝えします。
長期投資は、販売する側にメリットがある?
長期投資は、投資家よりも、投資をしてもらう側にメリットがあるのではないか?
確かに、そういう所もあるのかもしれません。
最近の投資信託では、金融庁の指導もあり、投資信託を購入した時の買付手数料よりも、信託報酬手数料に重点を置くようになってきています。
つまり、多くのお金を預かって運用したほうのが、金融機関にとっては利益になる事になります。
そこで、長期投資。
一度預かったお金は、できるだけ預かったまま、いつまでも置いておいてもらいたい。
そうすることで、少しずつ預かり資産が増え、それとともに、手数料収入が増えてくる。
短期売買よりも、長期投資。
そっちの方が金融機関にとってもメリットがある時代になってきたのかもしれません。
長期投資は、リスクが少ない?
投資を実践する中で、勘違いされているなと思うこととして、『長期投資はリスクが少ない』という考え方です。
実は、短期売買も長期投資も、リスクが大きい小さいというのは、あまり関係がないように思うのです。
長期投資で投資をしても、短期的な時間を無視して、長期的な時間という事は、あり得ません。
明日が来ないのに、1年後が来るわけがない。
つまり、『長期投資といって投資を始めても、短期的な値動きに、心を乱される。』ということがあるわけです。
しかし、見方を変えれば、やはり長期投資は、リスクが少なくなるのかもしれません。
1日後の株価を見ると、損失となる確率は、50%。
しかし、1年後で見ると、40%。
そして10年後で見ると、10%。
(ここで上げた数字は、現実の数字ではなく、イメージの数字であることに注意。)
といった感じで、『時間が経過するとともに、損失となる確率が小さくなる。』といったことが過去の統計では確認されています。
つまり、『短期的な値動きは一切見ないで、10年たって初めて資産額を確認する』。
といったことができれば、『長期投資はリスクが少ない。』のかもしれません。
でも、「そんなことは、不可能に近いよ!」というのが現実です。
長期投資は、複利効果で資産が増える?
長期投資のメリットとして、複利で運用することで、資産が倍々に増えていくという話があります。
確かに、複利の力はすごいです。
複利を利用することは、資産形成で大きな力になってくれます。
しかし、残念ながら、投資を実践する中で、『複利の力』というものを感じることは、そうそうないものです。
実際には、複利の力が生きているのかもしれませんが、『複利の効果以上に、資産価格の値動きの方が大きい』ため、複利という感覚が実践につながってきません。
なので、『安易に、複利の力をイメージして投資はしない方がいい』というのが実感です。
複利がどうのこうのよりも、『時間をかければかけるほど、短期的な値動きの原因となっているノイズが徐々に取り除かれ、実態価格に近づいていく。』というイメージの方が長期投資に近いような気がします。
短期的な値動きの原因の多くは、実際にはどうでもいいノイズでできています。
しかし、そのノイズも時間をかけると、『平均回帰』などの自然現象で、徐々にノイズが取り除かれ、本来の価値にたどり着くと考えられています。
まあ、その『平均回帰』も「なぜ起こるのか、はっきりとした理論はよくわからないけど、なぜかそうなっている。」というものではありますが。
それでも、その自然現象を利用することで、大きな資産を築いてきた人が多くいることも事実です。
長期投資の効果とは、本来よくわからないものではあるが、明らかにメリットが見られる。という程度のものなのかもしれません。
それでも、長期投資を信じて悪いことにはならないと個人的には思っています。
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