国内の個人金融資産は、2019年6月末時点で、1860兆円。
そのうち、現預金となっているものが、991兆円。
そして、この991兆円が動けば、日本の経済は良くなるといわれています。
991兆円という現預金の力?
あまり現実的ではないかもしれませんが、もし現預金のまま置かれているとされている991兆円というお金が、年利5%のリターンを生み出したとしたらどうなるだろう。
991兆円×5%=49.5兆円
約50兆円の利益を生み出すことになります。
日本のGDPは、約530兆円ですから、50兆円という規模の大きさを実感します。
もし仮に、991兆円の現預金が世界中への投資につかわれ、その投資から50兆円を稼ぎ出し、国内で消費したらどうなるだろうか?
誰が考えても、国内経済は良くなるだろうと思いますよね。
「貯蓄から投資へ」というスローガンを国が掲げているのも、よくわかる話です。
なぜ投資が根付かない?
投資というものが、日本経済にとってプラスになる可能性はとても高いです。
しかし、長年「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げていながらも、全然広がらないのはなぜなのだろう?
最近では、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を作って、投資をしてもらおうとしているようですが、一般消費者はおっかなびっくりです。
いまだに、投資とギャンブルを一色単にして考えている人も少なくありません。
挙句の果てには、金融庁から「老後に2,000万円不足する」なんていう脅し文句まで登場し、議論を巻き起こしました。
政府は、飴や鞭をつかって、なんとか投資してもらおうと必死のようです。
しかし、全然効果がないように感じます。
一体なぜなのだろうか?
そもそも『お金』に無知過ぎた?
日本人は、お金に無知過ぎるのかもしれません。
世界各国の金融リテラシーの調査でも、先進国の水準からみて低いといわれています。
日銀の調査では、日本、米国、イギリス、フランス、ドイツの中で、日本の金融リテラシーは最下位という結果を報告しています。
なぜこのような結果になってしまったのか?
一言で言えば、『お金に関する教育のなさ』でしょう。
いま、この『教育のなさ』が様々な問題となってきています。
聞けばすぐわかるような詐欺に引っかかって大金を失ったり。
誰でも知っている大手金融機関でさえ、まるで個人の無知を利用したかのような金融商品を販売していたり。(外貨建て生命保険や、毎月分配型投資信託などで問題になった。)
適当なサービスで高い手数料を取る金融機関関係者。
などなど、無知が原因で起きたような事件が多発しています。
『金銭教育』の必要性が、今問われているわけです。
しかし、日本人の金融リテラシーの低い期間が長かったためか、今度はまともに教えられる人がいない。
まず間違いなく、学校の先生には無理でしょう。
このような状態で、「貯蓄から投資へ」というスローガンには無理があったのかもしれません。
日本経済をよくするための、金融教育を!
お金を動かすことで、利益を得るようになれることは、とても大きな力になるはずです。
世界的な企業のトップに、いつも金融機関があることからも、金融のお金を稼ぐ力の大きさを物語っているのではないでしょうか?
人も国も考え方は同じ。
若いうちは、働いてお金を稼ぎ。
年を取ってからは、若いうちに稼いだお金を使って、お金を稼ぐ。
たとえば。
若い人は、年を取った人からお金を借りて事業を行う。
年を取った人は、若い人に貸したお金から利息などを貰って、収入を得る。
余ったお金は、また若い人に投資をし。
投資をしてもらった若い人は、事業を拡大し、さらにお金を稼ぐ。
そういった循環をさせることができれば、経済はよりよくなるはずです。
国でいえば、すでに先進国として上り調子が終わってしまった日本そして日本人は、これから伸びると思われる国や世界の企業にお金を融通する、つまりは投資をする。
そしてその投資から、日本国内に入ってくる収入を増やす。
この循環を作ることができれば、人口減少の問題にも、年金・老後の不安問題に対しても、一つの解決策への糸口になってくるのではないかと思うのです。
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