「投資を始めるなら、インデックスファンドが最適です。」と言われています。
この話は事実です。
個別銘柄を選択し、投資タイミングなども考えながら運用する、アクティブ運用をしている筆者自身も、この答えには反論できません。
また、世界的な投資家のウォーレン・バフェットもインデックスファンドを推奨しています。
それなのに、なぜインデックスファンドだけで投資をすることが、なかなかできないのだろうか?
インデックスファンドが有効である理由。
インデックスファンドがなぜ有効なのか?
一つは、金融市場では効率的市場仮説が、どうやら通用するらしいという事です。
効率的市場仮説とは、金融市場には、他社を出し抜き、自分だけが儲けられるような情報は転がっていないという事を言っています。
つまり、効率的市場仮説が有効だという事は、あれこれ考えて投資をするのも、何にも考えず投資をしても、最終的な結論は同じになるということになります。
実際に、頭の良さそうな投資のプロが運用しても、何も考えない投資の代表であるインデックスファンドと、運用成績に大きな違いは見られないといわれています。
二つ目が、運用に係るコストの低さです。
インデックスファンドを運用する際には、ファンドマネージャーなどの投資のプロの力を一切必要としません。
銘柄入れ替えなども、機械的に処理されます。
つまりは、人手がかからない分、安くファンドを運用することができることになります。
実は、これがインデックスファンドの一番のメリットと言えます。
金融資産に投資をする場合、実は、このコストというものが最も厄介な問題なのです。
インデックスファンドにすることで、パフォーマンス云々以上に、コストを下げられるという点が、インデックスファンドの、本当の価値と言えるでしょう。
このように、インデックスファンドが資産運用をする上で、とても有効であることは、経験則的にも学術的にも、認められています。
だから、資産運用をするなら、インデックスファンドで運用すればいいわけなのですが、なかなかできる人がすくないことも事実なのです。
それは一体なぜなのでしょうか?
インデックスファンドで運用する難しさ。
インデックスファンドで運用することの難しさの原因は、私たちの心にあります。
人は、何かと比較することで、良し悪しを決める、悪い?癖があります。
例えば、日本国内で見れば、自分は高所得者の部類に入る。
でも、近所づきあいの中で見ると、所得が少ない方になる。
こんな時、人はどう感じるか?
そうです、自分は稼ぎが少ないダメな人だと感じてしまうのです。
人間は、目先の情報や身近な環境に、ひどく影響を受け、正しい判断が下せなくなる傾向があるのです。
これと同じことがインデックスファンドにも言えるのです。
言ってみれば、インデックスファンドは、所詮平均値でしかありません。
他の投資信託が、インデックスファンド以上に利益が出ている。
または、他の投資信託は、暴落時に損失を抑え、インデックスファンドよりもリスクが少ない。
こいった情報を聞くと、どうしてもインデックスファンド以外の投資信託に、心が揺れ動いてしまうのです。
そして、インデックスファンドから離れてしまうということをしてしまうわけです。
インデックスファンドで運用を続けるために。
こっちの投資信託の方が優秀だと聞いて、インデックスファンドから乗り換えた。
その後、しばらくの間は良い感じだったけど、時間が経つにつれて、そうでもない部分も見えてきた。
中には、相場の暴落で、大きな損をしてしまい。
インデックスファンドのままにしておけば良かったと反省することもあります。
実は、インデックスファンドだけで運用できている人の多くは、このような失敗を過去に何度か繰り返していることが多いようです。
様々な失敗を繰り返し、最終的に行き着いたのが、「欲をかかず、ひたすら平均値をマークすることができる。インデックスファンドが一番いい。」という事だったりするわけです。
つまりは、インデックスファンドがなぜ有効なのかという事を、身をもって学んだからこそ、インデックスファンドに行き着いたというわけです。
『本当に有用なものは、時間が経たないとわからない』とは、なんとのもどかしいものですね。
そこで、インデックスファンドの有効性を正しく理解することの大切さにつながってくるわけです。
投資信託で運用しようと思うなら、まずはインデックスファンドのことについて勉強してみることが大切だと思うのです。
それでも、身近なものと比較するのは、人の本能ですから、いろんな遠回りを選択することもあるかもしれません。
でも、最初にインデックスファンドを学ぶことによって、きっと早い段階でインデックスファンドの魅力を再確認し、堅実な資産形成ができるようになっていることと思うのです。
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