長期投資で成功するコツに、自分の知っている範囲の中で、投資を行うという話があります。
「AIとか、宇宙とか、いろんな夢ある事業に投資をしたい。」
「新しいビジネスは、これからもっともっと大きく成長するはず。」
このような考えを持つことってありますよね。
それに、こういった『夢を買う』みたいなことも、株式投資の大きな魅力です。
しかし、長期投資を成功させるには、夢を買うよりも、自分の知っている範囲の中で、投資をした方が上手くいきやすいのも事実です。
知っている範囲の中で投資をするということ。
『知っていることの中で投資をする』という話で有名なのが、長期投資の見本でもあるウォーレン・バフェットです。
ウォーレン・バフェットは、長期投資の力を借りて、世界トップクラスの資産家となりました。
株式投資をしていて、ウォーレン・バフェットという名前を聞いたことがないという人は、おそらくいないことでしょう?
もし、資産運用のアドバイスを人から受けるときに、そのアドバイスをしてくれる人が「ウォーレン・バフェットなんて知らない」と言ったとしたら、その人からアドバイスを受けることは、やめた方がいいかもしれません。
株式投資の勉強をすれば、必ずと言っていいほど登場する名前ですから、そのアドバイザーは、まったく株式投資の勉強をしていない可能性が高く、今の成績も運がよかっただけの人ある可能性が高そうです。
ところで、その著名投資家であるウォーレン・バフェットが、『自分の理解できないものには投資しない』というルールを持っていることは、とても有名です。
ITバブルのころに、IT銘柄に投資をしなかったとか、仮想通貨などに投資をしないと言ったとか、自分の理解できないところに投資をしない傾向は、バフェットの経歴を見ても良くわかります。
『自分の理解できないものには投資をしない』ということが、なぜ大切なことなのでしょうか?
理解できないものに投資をすると失敗しやすい?
自分の理解の範疇を超えて投資をしてしまったがために、損をしてしまったという例は、数えきれないほどよく聞く話です。
しかし、「投資というのは、ある意味確率の世界ですから、自分の理解の範疇かどうかは、投資の成功とは関係ないのでは?」と思いませんか?
確かにその通りです。私もそう思います。
しかし、『自分の理解のできないものに投資をしない方が上手くいく。』ということはあると思います。
株式にしろ投資信託にしろ、投資には、必ずうまくいかなくなる時があるものです。
例えば、暴落相場や弱気相場。
こいった相場が訪れないという事は、ほぼあり得ません。
実は、この『上手くいかない期間を耐える』のに役に立つのが、『自分のよく知っていることに投資をしている』ということなのです。
例えば、不動産業界に詳しい人は、所有している不動産の価格がどんなに目減りしようとも、「この物件には、十分に収益を生み出す力がある」という自信があったりするものです。
だから、表面上は大きく資産価値が目減りしていたとしても、ちっともビビらない。
そしてこれは、株式投資にも同じ事がいえます。
AIが凄いと聞いて投資をしても、AIがどういったものなのかわからないことで。
『突然そのAI関連銘柄が暴落。
そして暴落すると大概にして、「悪いニュース」が聞こえてきます。
そうなると、途端にAIが本当に良いものなのかどうかわからなくなってきます。
すると、そのAI関連銘柄を持っているということに大きな不安やストレスを感じるようになります。
そして結局、投げ売り。』
これは、投資で失敗する人の良くあるパターンです。
だから『自分が知っている範囲の中で投資をする』ということが大切になってくるわけなのです。
自分の知っている範囲というのは、銘柄選択だけではない。
知っているかどうかというのは、投資する銘柄だけの話ではありません。
投資の仕方や、投資戦略にも言えることです。
例えば、投資信託などで良くある間違いに、その投資信託が、どういう基準で投資を行い、どういう戦略で運用しているのかということを、よく理解しないままに買ってしまうことです。
たとえば、分散投資やポートフォリオ運用という、投資の基本と言われている戦略がありますが。
この投資の基本でさえも、
その投資方法に、どのような効果があり。
また、その効果はどうして得られるのか?
効果を得るための要素を満たすためには?
メリットはもちろんだけど、デメリットはどこにあるのか?
効果が薄れるパターンは、どういう時だろうか?
そして、この投資戦略は『永続的に効果を期待できる方法なのだろうか?』。
といったことが、よくわかっていないことが多いものです。
そして良くわかっていないと、それが本当に有益なものであったとしても、うまくいかない局面にぶつかると、途端に不安になり、ストレスに感じ、投資をやめてしまう。
長期投資において、『知っていること』や『理解していること』が、どれだけ大切なのかわかりましたでしょうか?
長期投資に必須のスキル。『学ぼうとする意志』
長期投資を成功させるためには、『知っていること』や『理解していること』が大切だという話をしました。
そして、当然ですが、『知っていること』や『理解していること』というのは、投資をする本人が学ぼうとしなければできないものでもあります。
だから、長期投資には、『学ぼうとする意志』がとても大切になってくるのです。
「知っていれば、暴落も怖くない?」とまではいいませんが、十分な知識と理解があることで、なんとなく「この銘柄なら、買っても大丈夫だろう」といった気持ちで買えることもあるものです。
また、投資戦略への理解によって、「今は苦しい時だけど、この戦略を続けていれば、そのうちなんとかなるだろう」と考えられたりもします。
投資について、学んでいるうちに、いつの間にか自分の投資に自信がついてくるわけです。
だから、暴落や弱気相場に負けることなく長期で投資が続けられる。
長期的な投資が実行できるから、投資で成功する可能性も高くなるというわけです。
そして、学び続けることによって、実は『自分の投資の幅も広がっていきます。』
昔はIT銘柄に投資をしなかったバフェットも、高齢になっても『どん欲に学ぼうとする意志』があるため、今ではアップルやアマゾンといった、IT銘柄にも投資をするようになっています。
継続的に学ぶことによって、今まで理解できなかったことが、理解できるようになってくるわけですね。
そして、投資の幅が広かれば、当然ですが、さらに投資で成功しやすくなります。
つまりは、投資で一番大切なことは『学ぶ』ことなのではないでしょうか?
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