投資の基本『ポートフォリオ運用』を資産形成の中心に?

中には、富裕層の資産運用なんて言い方をされることもある、『ポートフォリオ運用』。

このポートフォリオ運用、一言でポートフォリオ運用といっても、実際には、様々な意味が含まれているような気がしています。

ただ、どんな捉え方をするにせよ、資産形成の中心となることは、間違いない気がしています。

ポートフォリオ運用って?

一言でポートフォリオ運用といっても、いろんな意味があるものです。

有名なところでは、現代ポートフォリオ理論を応用した資産運用の手法でしょうか?

株式や債券、金などコモディティ、といった様々なアセット(資産)を組み合わせ、それぞれの値動きの違いである相関を利用し、リスクを減らしながら、高いリターンを狙うといった資産運用です。

この現代ポートフォリオ理論は、ノーベル賞を取ったことでも有名です。


このノーベル賞という権威があるために、現代ポートフォリオ理論は、広く普及するようになり、中には「富裕層の資産運用法」と言っているときもあります。


最近ではAIを利用した資産運用として、ロボアドバイザーというものの人気が高まっているようですが、このロボアドバイザーの運用スタイルは、この現代ポートフォリオ理論を応用したものとなっています。


現代ポートフォリオ理論の肝となっているのは、各資産のリターンはそのままなのに、リスクだけを下げることができるという考え方です。

例えば、株式のリターンが10%で変動リスク20%、債券のリターンが2%で変動リスクが10%といった場合。

この株式と債券を50:50で保有すると、リターンは株式10%×1/2、債券2%×1/2の合計で、6%という計算になります。

「じゃあリスクは?」となった時に、リターンと同じように、株式のリスクを1/2して、債券のリスクを1/2、その合計でリスク計算するのかというと、実はそうではないのです。

株式と債券の値動きが一緒ではないとすると、株式が上昇して、債券が下落するといったこともあります。

そうなると、単純にそれぞれのアセットのリスクの和という計算にはならないわけです。

この時利用するのが、相関係数です。

もし値動きが全く反対の資産(相関係数が-1)を組み合わせることが出来れば、値動きのリスクを相殺することが可能になります。

これが現代ポートフォリオ理論の根拠となっているわけです。


しかし、実際にやってみようとすると、そんな単純な話にはなってきません。

相関係数は、『相場環境に応じてさまざまに変化してきます』。

つまり、資産間の値動きの特性を掴んだ気になっても、それが通用するのは、その時だけなのかもしれないので、ポートフォリオ運用でリスクを減らすといっても、結局相場環境に合わせるというスキルが必要になってしまいます。


それよりもポートフォリオ運用には、もっと重要な考え方があります。

それは、ポートフォリオ運用の基本となる『分散投資』という考え方です。


ポートフォリオ運用と分散投資

ポートフォリオ運用の基本となる投資方法は、『分散投資』です。


『卵は一つの籠に盛るな』という投資の有名な格言。


一つの籠に卵を盛って、その籠を落としてしまったら、すべてダメになってしまう。

いくつかの籠に分けて運べば、すべてをダメにしてしまうようなことにはならないだろうという考え方です。


現代ポートフォリオ理論のように難しく考えなくても、分散投資は、私たち個人にも直感的に理解が出来るものです。

そしてポートフォリオ運用とは、その分散投資を行い、分散して投資したグループであるポートフォリオを基準に運用を行うという事です。


株式投資等をしていると、どうしても買った銘柄すべてが上がってほしいと考えてしまうものです。

でも、ポートフォリオ運用では、すべての銘柄が上がる必要はありません。

上がるもの、下がるもの、横ばいのもの、いろんなパターンものを含めて、ポートフォリオとして運用しようというものです。


だいたい、買った銘柄すべてが上がるなんてことは、そうそうありません。

5銘柄を買えば、それが様々な観点から厳選したものであっても、そのうち1銘柄は予想を大きく外し、大きく下落。2銘柄は横ばいとなり損も得もないトントン。もう一銘柄は予想通りの値動きになり、まあまあのパフォーマンス。そして案外期待もしていなかった最後の1銘柄が、予想をはるかに超える上昇になった。

といった感じになるものです。


この時、予想を外したり、期待通りのパフォーマンスとならなかったものを少なくし、もっと予測の精度を上げようと努力をするよりも、これはもう神の領域の話だと考え、良い結果となったものも、予想を外したものもまとめて管理することで、全体としてのパフォーマンスを考えよう。

というのが、本当のポートフォリオ運用です。


ポートフォリオ運用を、資産運用の中心に?

ポートフォリオ運用の分散投資をヒントに、株式銘柄ではなく、さまざまな資産に分散投資するポートフォリオ運用。

それが、資産運用の中心となってきます。


各資産への投資は、インデックスファンドを利用することで、運用コストをできるだけ低くし、個別リスクの不確実性を小さくし、資産の持つリターンをほぼ確実に受け取れるように工夫をします。

そうすると、株式のリターン、債券のリターン、不動産のリターンといった、それぞれのリターンがどのくらいかはわからないけれど、それぞれの資産自体が将来的に高い確率でリターンを生み出すと考えられるので、そういったところで投資をしておけば、ポートフォリオとしてのリターンの大小はあっても、ほぼ確実に将来リターンがプラスになるであろうと考えることが出来るわけです。

また、株式が最近上手くいかなくなっても、債券や不動産がリターンを生み出してくれればOKというポートフォリオでも運用にもなります。


このポートフォリオ運用は、すべての投資先にプラスの見込みがあるという事で、とても有利な運用だと考えます。

複数の株式銘柄に投資をする、株式投資のポートフォリオ運用では、中にはまったくプラスを生み出してくれない、もしかすると延々と損失が続くような投資先も含まれてきます。

そういった場合には、損切や入れ替えとった、ただ買うだけの運用方法から、一歩先に進んだ運用スキルが必要となってきます。

その点、各資産インデックスファンドでのポートフォリオ運用には、そういったややこしい話もなく、心配も少ないわけです。

だから、資産運用の中心として考えることが出来ます。


株式投資のポートフォリオ運用に慣れてくると、各資産インデックスファンドのポートフォリオ運用が必要なくなることもあるかもしれませんが、ポートフォリオ運用という考え方を身につける、最初に学ぶ運用スタイルとして、この各資産インデックスファンドのポートフォリオ運用には、大変意味があるのではないかと思っています。

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