長期投資の勘違い。長期投資とは、長期で保有することと考えるのは、大間違い?

長期投資と聞いて、何をイメージしますか?

多くの方が、『何年も、長期にわたって保有する』という投資の仕方を連想するかもしれません。

しかし、その考え方は大きな勘違いです。


『長期投資=長期間保有』というわけでもない。

投資を始めるときに、よく聞く投資の仕方は、『長期、分散、積立』という投資の原則です。

そしてその中の一つ、『長期』とは、長期間売ることなく、保有し続けることだと説明されることが多いようです。

たまに、株式投資で世界トップクラスの大金持ちとなった、超有名投資家でもあるウォーレン・バフェットを引き合いに出し、株式投資は、長期間保有することがいいと説明しているのを見かけたりします。

確かにバフェットは、『我々は永遠に株(企業)を保有し続けることを好む。』といったことを言っていて、いかにも買ったら銘柄は、永久(長期間)に売るなと言っているようにも聞こえます。

このような発言から、株式投資は、買った銘柄を長期で保有するのが正解だと理解しているのでしょう。


しかし、実際のバフェットの投資では、永久という言葉からすると、かなり頻繁に売買をしています。

確かに、一般的なデイトレーダーや個人投資家に比べると売買する回数は少ないですが、決して言葉通りに永久に保有しているわけではありません。

良く考えてください。

バフェットは永久保有しているとは言っていません。ただ『好む』と言っているだけです。


バフェットが長期投資を好む理由。

投資するにおいて、最大の敵は何か?

それは、コストです。

おそらくバフェットも同じことを考えていると思われます。

もし長期保有でなく、短期で売買をしていたら、証券会社に支払う売買手数料が発生してきます。また、売却益が出ている場合には、税金などのコストも発生します。

このコストが長期投資でもっとも大きな『複利』という効果を下げてしまうことになります。

投資ではコストを徹底的に削ること。

これは、一投資家が、自分の手で唯一出来るといっても過言ではない、確実なリターンを得る方法です。

金融市場にお金を賭けるというという行為は、不確実性との付き合いです。

自分のした投資が、儲かるか、損するかは、偉大な投資家であってもわかるものではありません。

でも、コストを下げることが出来れば、その分は確実にリターンに反映されてきます。

だから、コストを下げる手段の一つとして長期投資、長期保有が望ましいというわけです。


長期投資とは、長期間保有するのではなく、長期的な視野で投資を考えること!

結局のところ、長期投資とは、長期間保有するという意味ではなく、長期的な視野で投資を考えることになります。

その長期的な視野で投資を考えた結果、『できるだけ長期保有』という戦略が導かれるという事です。


ただ、長期保有を目指すなら、長期保有で効果が見込める銘柄を選択しなければなりません。

『今後10年間市場が閉鎖しても喜んで持ち続けられる株(企業)だけを買いなさい。』ともバフェットは言っています。

だから、長期保有のつもりで株式を買った後でも、「銘柄選択を間違えた!」と思えば、保有をやめて売るということもしなければなりません。

長期保有をしろと言ってるのに、頻繁に売買もすることになるのはそのためです。


長期投資と言って、それを安易に「長期間保有しろ」と考えるのは間違いです。

ましてや、リーマンショックなどの時のように相場が悪くなった時ならなおさらです。

相場全体が上がり続けている相場の良い時なら、何を買っても上がるものなので、銘柄選択なんてそれほど重要ではありません。

しかし、相場が悪くなると、良い銘柄と悪い銘柄がはっきりと出てきます。

長期保有が前提だからと、相場が良い時に買った悪い銘柄をいつまでも保有してたら、損失が増えるだけです。

つまり、長期保有を実践するためには、そもそもいい銘柄選択やいいポートフォリオ戦略があることが前提となります。


『長期、分散、積立』という言葉が世に出るようになって久しいですが、安易に捉えて、長期投資や長期保有を考えないようにしなければいけません。


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